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ランキングなんか覚えるな!センター地理Bで高得点を取る「正しい」統計の勉強法

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2017年度地理B本試験、ランキング問題は35問中「1問」

マジでランキングなんか覚えなくて良いですアタマが悪くなります。地理オリンピック金メダリストの私が言うのだから間違いありません。

 

2017年度の地理B本試験でランキングが解答の鍵となった問題は35問中わずか「1問」でした。それも「中国の油田の産出量」という、地理を使う受験生が必須とされている『データブック オブ・ザ・ワールド』の片隅に申し訳程度に載っている指標でした(『データブック オブ・ザ・ワールド』では「中国の原油の省別産出」という項目ですが)。つまり唯一の「1問」ですら、ランキングを知らなくても正しく推測すれば解けた問題なのです。センター試験の地理Bにおいて、ランキングなんか覚える必要は無い、覚えるだけ無駄です。

※該当問題は第4問の問5です。解説が気になる人は当ブログの記事「2017年度地理B本試験オリジナル解説」をご覧ください。

 

こう出る!地理Bの統計利用問題

それでは、地理Bの統計利用問題はどのように出るのでしょうか。2008年度本試験・第4問の問5を見てみましょう。

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ランキングだけ丸暗記してる人はこうやって解こうとするのです。「あ、米の輸出量世界一はインドだ。茶の輸出量世界一はスリランカだから、正解は⑤だ!

 

インドの米の輸出量が2016年の『データブック オブ・ザ・ワールド』で世界一になったことを押さえてるとは。流石です。頭が下がります。そして間違ってます。

 

こういうことが起こりうるんですよ。インドは確かに2016年の『データブック オブ・ザ・ワールド』では長年1位だったタイを抜いて1位になっています(2012年)が、最新統計によるとまたタイが1位を奪還するとかしないとかって話です。そのうえ不確かなことがあって、センター試験は夏頃には完成しているなどと言われていて、統計は何年のものを出してくるのか、世の中に出回っている最も新しいものを出してくるのか否か、確定的ではありません(それどころか、例えば2016年度追試験には2003年の統計をもとに作られた問題が出題されました。13年前のものすら出るんですよ)。いずれにせよ、ランキングなんかをバカ真面目に暗記している受験生が逆にバカを見る世界になっているのが地理Bなのです。そんなことで点数を落としてしまっては応援しているこちらがいたたまれない気持ちになります。

 

正しい解き方はこうです。まず米の特徴を2つ押さえましょう。皆さん普段から日常的にタイ米やカリフォルニア米って食べますか?食べませんよね。そう、米は基本的に自国で生産したものを自国で消費する、自給的性格の強い作物なのです。また、皆さん水田って見たことありますよね。水田は米が生長する春~秋に水が張ってます。この時期に多く雨が降ってくれないと干からびてしまうし、土壌がすぐ水を吸収するようでも困りますね。ですから米の生産には海からの湿った季節風の影響で春~秋にかけて雨が多いモンスーンアジアの、水はけの悪い沖積平野が適するんです。まとめましょう。「自給的」なわけですから基本的に米の生産量は人口に比例します。モンスーンアジアの人口上位3ヶ国は中国14億)・インド13億)・インドネシア2.5億)です(こういう超常識レベルの指標は覚えてください。ただ面積のランキングと同じですから当たり前っちゃ当たり前です)。米の生産量の順位もこれと同じです。

 

さて、上の問題に出てくる3ヶ国の中で1ヶ国だけ季節風の影響を明瞭には受けない、モンスーンアジアではない国があります。どこでしょうか。

 

答えはパキスタンです。パキスタンと同じくらいの緯度の国にエジプトがあります。砂漠です。本来、このあたりの緯度帯は亜熱帯高圧帯と言って、太陽光の受熱量が地球上で最も大きい赤道の付近で空気が膨張し、密度が低くなる赤道低圧帯ことで軽くなった空気が上昇し、上空を高緯度の方向に移動した後、密度が高くなる緯度30度付近で地表方向へと下降することによって形成される気圧帯に支配されています。天気予報を見てれば分かりますが、密度の高い高気圧が広がる日は晴れますね。常に高気圧に支配されてるわけですから乾燥するんです。モンスーンアジアは夏に海から湿った季節風(東アジアは南東季節風、南・東南アジアは南西季節風)が吹くのでこの緯度帯にあっても夏に多雨となるのですが、パキスタンの位置を見てください。南西にアラビア半島があってインド洋が狭くなっています。海で十分な水分が供給されないので、夏の季節風による降雨の影響も明瞭ではありません。すなわち、夏も比較的乾燥しているので米を食べる文化は発展しなかったんです。

 

自給的な作物である米をわざわざ輸出する国って特有の事情があるんです。パキスタンがその典型例です。乾燥しているから米は食べない。でも実は、パキスタンには古代文明のインダス文明を支えたインダス川が流れていて、これを灌漑用水に使うことで米の生産が可能になったわけです。でも食べないから輸出に回します。輸出することを目的に、米を商業的に生産しているのがパキスタンなのです。「でも、インドの方が輸出量が多いじゃん」って?インドとパキスタンは経済規模が違います。インドの人口は13億、パキスタンは1.8億です。インドがパキスタンの何倍米を輸出したって、商業的に生産して外貨を稼いでるパキスタンと同じような主要輸出品とはなり得ませんね。

 

茶の輸出量はスリランカで良いんです。でも「スリランカ世界一」だけを暗記していても応用が効きません。茶の輸出国の社会的な条件を押さえておきましょう。茶っていうのは緑茶だけじゃなくて紅茶なども含まれます(むしろ世界的にはこっちがメインです)。紅茶をよく飲む国って知ってますか?イギリスです。イギリスは嗜好品として紅茶を大量に消費してきました。でも茶は高温多雨の気候と水はけの良い傾斜地に適するので、冷涼なイギリスでは生産できないんです。そこでイギリスでは植民地で企業的なプランテーション農業によって茶を大量に栽培させ自国に輸出させることにしました。その名残で茶の輸出量が多いのがスリランカやケニアで、これらの国はイギリスの旧植民地であるという点で共通しているんです(インドも輸出量は多いですが、さっきの米と同じ理由で経済規模の小さいスリランカと同様の主要輸出品とはなり得ません)。

 

よってQがパキスタン、Rがスリランカなので答えは②になります。

 

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余談ですがPのインドの輸出量と輸入量を見てください。いずれもダイヤモンドが上位に来てますね。ここで2016年本試験・第5問の問3を見てみましょう。

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イはどうでしょうか。「世界的な加工地」とあります。インドのダイヤモンドは輸出だけでなく輸入も多かったですね。もしダイヤモンドを産出しているならわざわざ多くのダイヤモンドを輸入する必要はありませんね。つまり加工前のダイヤモンドを輸入して加工して輸出しているんだと推測できます。よってインドが該当します。センター地理Bでは過去問に出た問題は何度も出ます。地理Bで高得点を取りたかったら何度も何度も過去問演習をすることです。(ちなみにアも統計問題ですがランキングなんか丸暗記してなくても解けますよ。「インドと南アフリカ共和国で世界の産出量の約50%を占めている」という記述から、偏在性の高いレアメタルを選びます。スズは缶詰などのメッキに使用される金属で、東南アジアや南アメリカのアンデス山脈、特にボリビアでの生産に特徴があります。東南アジアやアンデス山脈には多くの国々がありますから、偏在性は高くなりませんね。つまりクロムがレアメタルなのです。よって答えは①になります)

 

統計は「共通性」と「特殊な国」を押さえろ!

先ほどの問題からどのようなことが言えるでしょうか。米の生産量には「モンスーンアジアの人口順」という「共通性」があります。茶の輸出量にも「イギリスの旧植民地」という「共通性」があります。一方で米の輸出量はどうでしょうか。パキスタンは米を食べる文化が無いから商業的に生産する「特殊な国」ですね。同じように商業的な米栽培を行い、米の輸出量が上位となる国にはアメリカ合衆国があります。タイも米の輸出が多い国ですね。タイは東でフランスの植民地(現在のベトナムなど)、西でイギリスの植民地(現在のミャンマーなど)に挟まれ、互いの国が直接衝突しないようにどちらの植民地でもない緩衝国となった国です。イギリスが植民地に茶のプランテーションを行わせたように、植民地は米よりも商品作物を生産させられるようになります。でもタイは植民地支配を受けなかったわけですから、米の生産が出来たわけです。当然隣国に米を輸出するために商業的な米栽培が盛んになりますね。こういった特殊性があるのです。

 

大事なことは、ランキングなんかを覚えるより、なぜそうなるのかという理由から「共通性」と「特殊な国」を導き出すことです。地理Bで問われる本質はここにあります。それを意識して統計を勉強してほしいと思います。皆さんが「正しい」統計の勉強をできるよう、当ブログでも今後、さまざまな統計の「共通性」と「特殊な国」について紹介していきます。もし良ければ、パソコン画面のサイドバー「更新情報をお届け!」から、お好きなものをクリックしていち早く更新情報を入手しちゃってください。

 

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『間違えやすい地理B用語をセットで覚える本』がオススメ!

 僕の尊敬する鈴木達人先生の参考書です。統計の攻略にはこれの第3章が非常に有効です。

 

詳しい使い方などは今後更新しますが、まず統計を押さえるためにこの参考書の第3章をサッと読んでみてください。統計への考え方が変わります。2時間で読破可能です。

 

皆さんがランキング丸暗記なんて無駄な勉強から脱却し、「共通性」と「特殊な国」をしっかり押さえた真に実力のある受験生となることを願っています。頑張ってください!

 

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