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暗記地理からの解放。

柿沢先生と足立やすし大先生が乱闘寸前だった件―ワカモノのミカタ政党はどこだ

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ワイドショーでは虐めに虐め抜かれついには記者からの「どうしたら辞めていただけますか」の声に応えてお辞めなさった舛添知事の問題ばかりがクローズアップされて参院選公示1週間前だというのにナンダコノ盛り上がりに欠ける国政選挙はといった様相の参院選であるが、そんなこともお構いなしに野球か競馬を嗜む感覚で国会議員の一堂に介するシンポジウムに足を運ぶ政治オタクの噂を聞いたらそれは私のことである。そんなこんなで中央大の高橋先生のTwitterにゲラゲラ笑いながらドタ参をキメたのが昨日(6/15)開催の18歳選挙権サミット『ワカモノのミカタ政党はどこだ!』である。

 

この錚々たるメンバーを同じ壇上に乗せた日本若者協議会には敬服の念を禁じ得ない。特に山形市長選の一件いらい宿敵の関係にある柿沢先生と足立やすし大先生のコラボは、国会ジャンキーでなくともゾクゾクすることだろう(ここがゲラゲラ笑うところである)。案の定お二方は10代の若者が目を輝かせて舞台を見つめるその場所で大人気もなくヤジと中傷の応酬に至られたので、ピュアな若者たちは呆気にとられていただろうが、ピュアじゃない私としては大満足であった。冒頭からあまり歪んだ感想ばかりでも真面目な読者各位に対して忍びないので、今回はこのお二方、すなわち民進党(以下、民進)とおおさか維新の会(以下、お維)の政策主張にフォーカスを当てながら、レポートを書き進めていきたい。

 

先に断っておくが、シンポジウムの内容はきっと政治的中立こそ高貴で守るべき至上命題だと信奉している意識高い系大学生さんとかがまとめられているだろうから、その点については深入りしない。道楽ついでに悪口を並べる程度のものである。

 

意識の高い有識者の各位(私は一言も小黒一正氏のことであるなどのように名指しをしてはない)はナニガナンデモこのクサリキッタ日本政治を変えるには既得権益を排したドラスティックな統治機構改革が必要だと考えるみたいなので、そうすると暗にお維をアシストするような言説を繰り広げたくなるのは、まあ分からんでもない。しかしひとたびその政策を吟味してみれば、政権交代を果たした2009年の民主党マニフェストの下位互換みたいなもので、この国の有識者はまたB層を動員して同じ轍を踏ませたいのかとただただ感心するばかりである(まあ日本維新の会が誕生してからの3度の国政選挙を見る限り、実際は維新お維ではB層を動かせないこともまた事実ではあるのだが)。なんで子ども手当や高校無償化の完全実施の失敗を批判するその口で「ケンポーカイセイでキョウイクムショーカ!」が賛美できるのか、恥ずかしくないのかと思うのであるが、彼らにそんな問いは通用しないっぽい。

 

実際のところ、お維の政治手法でカンタンに課題が解決できるほど日本政治は単純ではない。彼らは「高齢者」や「労働組合」を既得権益と断じて対立軸を形成し、ワカモノの利益を代弁しようと躍起になるが、公的年金の支給額引き下げに伴う高齢者の貧困問題は深刻な局面を迎えているし、労使交渉テーブルの弱体化に伴う労働規制の緩和は非正規雇用を増やし実質賃金を減らすばかりでかえってワカモノにライフプランを描きにくくさせている。経団連や連合といった圧力団体に脱政治性を求める動きは回りまわって日本会議やシールズといった政治的中立なんてクソほどの関係もない勢力を伸長させているだけだし、そもそも彼らの言う「身を切る改革」で捻出できる財源と社会保障や教育関連予算の金額とでは桁が2つぐらい違うのである。バーチャルな対立軸をでっち上げて既得権益のレッテルを貼りたいだけの劇場型政治は社会不安を煽るだけでいい加減辟易としないもんかと思うのであるが、そう言っておけば票の取れるカンフル剤のようなものだから仕方ない。

 

そんなお維の花形議員である国会のヤジ将軍こと足立やすし大先生は、国会での建設的な議論という党是を差し置いて委員会の審議時間の多くを民主民進批判に割いてついには委員会質問を封じられた反執行部議員である(ここもゲラゲラ笑うところである)。「民主党政権になったから経産省を辞めてきた」など意味不明なアンチ民主武勇伝を語りながら民進潰しに生涯を掛ける男としての一貫した生き様(小っちぇえ生き様だな)は評価しなくもなくもないが、橋下徹の威を借りて国会で吠えるだけの痛々しい姿を全国放送に晒す醜態はまるでサルのオナニーと同じである。一人エッチなら部屋でしろよ、と…

 

そういうわけで、いしんのかんがえたさいきょうの政策をぶち上げて小粒なオオモノ議員を取り揃えたお維はとにかく理想に燃える意識の高い有識者とそれに啓蒙される意識の高いワカモノに支えられて成長してきたクサノネ型の立派な政党であるとご理解いただけたと思う。国会議員団には民進批判以外に何の実績も無いけれど「大阪ではやったんですよ!」と国政と地方政治を混同した力強い言説を繰り返しているのできっと何かやらかしてくれるはずである。さあみんなでお維に投票しよう!!!お維は素晴らしい政党である!!!ウェイ!!!日本死ね!!!

 

こうしてワカモノはいつも絶望の縁に立たされることになる。柿沢先生の言うように「おおさか維新のようにマイノリティに配慮せず対立構図にばかり持ち込もうとする政党はダメだが、民進党はまとまれないからダメ」だとすれば、ワカモノは時機を逸した自共対決に熱狂するか、公共対決とかいう宗教戦争みたいな構図に与するかぐらいしか選択肢は残っていないのである。とは言うものの、本当にそれだけの理由で民進を取るに足りない政党だと思慮の外に置いてしまうのは、いささかもったいない姿勢であるように思われる。多様性、すなわち多様なバックグラウンドの《ある》ということは、深い議論が醸成される素地があるということに他ならないからである。

 

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シンポジウムと同日の午後に、民進は参院選公約「国民との約束」を発表した。たしかにその政策が目新しさを感じない凡庸な内容であることは否定できないが、3年半のあいだ国政を担ったその失敗の反省と、旧維新の党というバックの団体に左右されない漸進的な改革精神の取り込みに基づいた現実的な政策は、二大政党の一翼を担う責任としての重みを感じるものである。だから私はシンポジウムでの柿沢先生の姿勢のように批判的な質問に対し彼らがいちいち身を窮する理由はないし、もっと党として自信を持って良いのではないかと思う。たしかに旧民主党の下野いらい守りの選挙が続いて無党派層へのアプローチに消極的になっている姿勢は、旧維新の党から迎え入れた柿沢先生なんかがもっとも不満を抱いている点ではあると思われるのだが、そういった現在の旧民主党中心の民進の政治風土の弱点は旧維新の党が補っていくべきだろうし、今日まで内定した衆院選予定候補に相当数の新人が選定されたことを考慮すれば、党の新陳代謝も回復基調へと乗るに違いない。そのような苦難を乗り越えて現実的なワカモノ政策を実現できる党になりうるのであれば、私は相当数のワカモノが民進に期待して良いと思う。そして、だらしないから党が伸びない、のではなくて、党が伸びないからだらしない、という因果の逆転の発想に立ち返れば、自ずと「ワカモノのミカタ政党」の選択肢が見えてくるのではないかと思われる。

 

 

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