るたろぐ

暗記地理からの解放。

【センター地理B対策】2017年度地理B本試験オリジナル解説

↑「はてなブックマーク」でこの記事をバズらせよう!↑

人気記事セレクション

 

このブログを応援する(Amazonギフト券購入ページ:管理人にギフト券を送る)

※生活に困窮しています。1000円ぐらいから送っていただけると嬉しいです。

 

問題

 

地理B対策にはこちらをご覧ください!

 

「スタディサプリ」まずは2週間無料で体験!

 

解説

今から地理の勉強を始めるという新高2や新高3の諸君でも理解できるよう、基本の基本から解説しました(分からない地名が出てきたら地図帳で確認してください)。一方でセンターが終わった受験生諸君にとっても論述に使えるエッセンスを随所に散りばめているので、しっかり復習に使ってください。

いずれにせよ、この解説があれば他に参考書は要らない、と言えるくらいかなり詳しく解説しています。何度も読み込んで自分のものにしてください。

重要な説明は赤字、重要な語句は太字にしています(太字はスマホでは確認できないかも。ごめんなさい)。

 

pdf版はこちらからダウンロードできます。印刷してお使いください(無断転載を禁止します)。

 

第1問

問1 正解:③

海底地形に関する問題。海嶺と海溝の違いが問われている。海嶺は「海の山」であり、海底火山の山脈が連なったもの。陸地の火山を思い浮かべれば分かるが、火山からはマグマが噴出し新たな地層を形成する。つまり「海の山」である海嶺からは新たなプレートが形成され、それが押し出される形でプレートの「広がる」境界となっている。海嶺が分布する地域は太平洋の中央東寄り、大西洋の中央、インド洋の中央。つまりAが海嶺の分布する地域で、断面図は④となる。一方海溝は「海の溝」であり、密度の小さい大陸プレートの下に密度の大きい海洋プレートが沈み込んだもの。海嶺で生み出されたプレートは当然どこかで消滅する。それが海溝であり、沈み込んでいるわけだからプレートの「せばまる」境界となっている。海溝が分布する地域は太平洋の縁辺部とインド洋の東岸。日本列島など島が弓形に連なっている弧状列島には必ず並行して分布している。つまりBが海溝の分布する地域で、断面図は③となる。Dは太平洋プレートの中央部で大洋底が広がっており、断面図は②となる。Dの南側のハワイ諸島にはホットスポットが存在し、局地的に火山が存在している。Cは水深200m未満の大陸棚が分布する地域で、断面図は①となる。

 

問2 正解:⑤

海氷に覆われにくい=海水温が高い=暖流が流れているということ。暖流は赤道からの海流、寒流は極からの海流である。海流は北半球では時計回り、南半球で反時計回りであることを押さえておく(低緯度帯では貿易風と同じ方向であると押さえる)。ただし北半球では陸地面積が相対的に大きいため、陸地の形に応じて海流が曲げられる。よって北半球の海流は「8の字回りの時計回り」になる。つまり北半球で暖流の流れている所は「低緯度帯の西岸と高緯度帯の東岸」となる。よってKとMが該当。Kに流れているのは北大西洋海流で、氷期に大陸氷河によって侵食を受けたU字谷のフィヨルドが発達するスカンディナヴィア半島の西岸には冬でも凍結しない不凍港が発達し、スウェーデン北部で採掘される鉄鉱石が鉄道で運搬され輸出されている。またMにはアラスカ海流、JとLにはそれぞれ寒流の東グリーンランド海流とリマン海流が流れているが、センターレベルではないので理論さえ分かっていれば覚えなくても問題ない。

 

問3 正解:④

平易な問題。エのニューヨークは大陸東岸にあり、冬は偏西風によって比熱の小さい大陸内部の空気が運ばれてくるため寒冷となる、つまり気温の年較差が大きくなる。また年中湿潤だが沿岸を流れるメキシコ湾流による上昇気流やハリケーンの影響で夏の降水量が極大となる。よってSが該当する。アのティラナとウのサンフランシスコはいずれも夏に亜熱帯高圧帯太陽光の受熱量が地球上で最も大きい赤道付近の赤道低圧帯で空気が膨張し、密度が低下することで軽くなった空気が上昇し、上空を高緯度方向に移動した後、密度が増す緯度30度付近で地表方向へと下降することによって形成される気圧帯。雲の発生が抑えられ、降水量は少なくなるが赤道低圧帯の北上に伴って北上してくることで下降気流が卓越し、夏季の降水量が減少する地中海性気候で、年間を通じて乾燥し、冬に少しだけ雨が降ると押さえておく。このうちウのサンフランシスコは沿岸に寒流のカリフォルニア海流が流れ(海流の大きな流れについては第1問の問1を参照)夏の気温が上がらないためP、そうでないアのティラナがQとなる。イのトルクメンバシは海岸から離れているため湿った空気が十分に供給されず砂漠となる。よってRが該当する。

 

問4 正解:③

③は陸繋島ではなく三角州である。三角州は河川が上流から運搬してきた砂泥が河口に堆積した地形で、この場合は河口が砂州の内側にあるため沿岸流が弱く、堆積物が広がらない。そのため河道に沿って形成される自然堤防が海側にまで伸び、鳥の足のような形をした鳥趾(ちょうし)状三角州がとなっている。鳥趾状三角州ミシシッピ川のものが有名だがセンターで名前が問われるレベルではないので「このような形の三角州もあるんだな」と押さえておけば十分。①、②、④はいずれも正しい。

 

問5 正解:②

アジアは基本的に米を主食とする。米は水田の水を入れ替えることで常に栄養分が補給されるため、他の穀物で起こりうるような連作障害何年も続けて1つの作物を同じ耕地で栽培し続けることにより地力の低下を招き生産性が低下すること)が起こらない。また他の穀物と比べてカロリーが高く、単位収量も大きい。以上の理由から人口支持力が高い(多くの人口を養える)。つまりアジアは人口が多く、人口密度も高い。このため災害の発生件数に比べて被災者数の割合は著しく高い。さらに米は主に水はけの悪い低湿な土地で栽培されるため、アジアでは低湿な沖積平野に人口が集中する。このためひとたび台風や津波に襲われると甚大な被害が発生する。被災者数のもっとも多いXがアジア。YとZは被害額に大きな差がある。1人あたりGNIの低いアフリカではインフラの整備が不十分で、復旧に多額の費用を要しない。つまりZがアフリカ、Yが南北アメリカ。

 

問6 正解:④

①は正しい。火山灰は5mmの降灰でも米など可食部が地上で育つ農作物に被害を出しうる(桜島の噴火により頻繁に降灰がある鹿児島県などのシラス台地で可食部が土中で育つダイコンやサツマイモの栽培が盛んなのはこのためである)。つまり地点サでは降灰1cmの予想範囲の外にあっても農作物に被害が出る可能性はある。そもそも図は「年間に最も多い風向の場合」による予測であり、そうでない場合の風が吹けば多くの火山灰が降る可能性もある。②、③は正しい。④が誤り。地点セは火砕流だけでなく土石流の予想到達範囲にも含まれている。

 

第2問

問1 正解:④

①は正しい。農地法の改正により農業への企業参入による大規模営農化が進みつつある。②は正しい。牛肉におけるトレーサビリティ(生産履歴追跡)制度は、アメリカで2003年にBSE(牛海綿状脳症)感染牛が発見されたことをきっかけに整備された。③は正しい。④は誤り。生鮮野菜は中国からの輸入が多い。輸送の高速化による航空輸送での輸入やチルド輸送などの保存技術の発達が生鮮野菜の輸送を容易にしているほか、主要な輸入生鮮野菜であるたまねぎなどは日持ちがよく、鮮度の維持は困難ではない。生鮮野菜の輸入量は2000年代以降停滞しているが、これは鮮度を保つことが困難だからではなく中国で残留農薬の安全性が問題となったためである。

 

問2 正解:②

まず①、②と③、④にグループ分けする。農林水産業従事者1人当たりの農地面積が広い=労働生産性が高いということであるため、企業的な大規模農業が行われているオセアニアと北アメリカが③、④になる。このうち、オーストラリア(≒オセアニアは国土が広い割に人口が少ない上、国内に散在する鉱業の原料産地と南部に集中する都市との距離が大きく原料の輸送コストがかかってしまうため工業が発達していない。このため相対的にGDPに占める農林水産業の割合が高い③がオセアニア、④が北アメリカとなる。アジアは労働集約的な自給的農業、アフリカは焼畑など収益の小さい自給的農業や企業的なプランテーション農業が中心となるが、中国や東南アジアなど新興工業国の人口が多いことを考えれば、相対的にGDPに占める農林水産業の割合は低くなる。よって①がアフリカ、②がアジアとなる。

 

問3 正解:③

①、④は正しい。EUの中でもスウェーデンやフィンランドは国土面積に占める森林率が5割を超えており、木質燃料などを中心とする再生可能エネルギーの利用拡大が推進されている。樹木などの植物はその成長時に二酸化炭素(CO2)を吸収しているため、化石燃料を燃焼させる場合とは異なり、木質燃料として燃焼しても理論上は大気中の二酸化炭素量を増やさない。これをカーボンニュートラルという。②は正しい。アメリカではバイオエタノール用の資源作物としてとうもろこしが多く使われている。このためとうもろこしの需要が高まり価格が高騰する。さらにとうもろこしは家畜の飼料としても広く利用されているため、肉類の価格も高くなる。このようにさまざまな影響をもたらすため、とうもろこしなどの資源作物に頼らず、もみ殻などからエタノールを取り出す研究が進められている。③は誤り。発展途上国ではインフラの整備が遅れているため、森林を伐採した薪炭材を日常のエネルギー源として使用しているほか、ブラジルではサトウキビを利用したバイオマス発電がさかんである。

 

問4 正解:①

オーストラリアは④。オーストラリアは古期造山帯である東部のグレートディバイディング山脈の炭田北西部の鉄鉱の分布を背景に4ヶ国で唯一のエネルギー純輸出国となっている。一方で工業はあまり発達しておらず(その背景については第2問の問2を参照)鉱業も大型機械の導入により就業人口は多くないことから鉱工業就業人口の割合は低い。イギリスは③。イギリスも北海油田の石油や天然ガスを背景にかつては一次エネルギー自給率100%を達成したほどの高いエネルギー自給率を誇っていたが、現在は北海油田の埋蔵量の減少に伴い一部を輸入に頼っている。またイギリスは産業革命の発祥地で19世紀には世界一の工業国であったが、第二次世界大戦後には設備の老化や高賃金によって国際競争力を失い「英国病」と呼ばれる経済停滞期を迎えた。この反省から1980年代以降、民営化や規制緩和によって金融・サービス業を成長させたことで脱工業化が進んだため、鉱工業就業人口の割合は低くなっている。残った①、②が日本またはドイツであるが、日本は石油・石炭・天然ガスなどのエネルギー資源のほぼ全量を輸入に依存している一方、ドイツでは緯度30度付近の亜熱帯高圧帯から高緯度方向に吹き出す西風の偏西風に影響を受けやすいことや国土の大半が低地であることから風力発電太陽光発電などの新エネルギーが普及しているほか、西部のルール炭田より産出される石炭の生産がある(ただし採掘費用の高騰などによってルール炭田の石炭産出量は低下の一途である)ためエネルギー輸入依存度はやや低くなる。よって①が日本、②がドイツとなる。

 

問5 正解:④

こういった指標の判別をするとき、どんなデータでも変わりやすい数値をアテにすると痛い目に逢うから気をつけてほしい。たとえば2001年の地理B本試験に次のような問題があった(第4問の問1)。世界各地のある経済活動の規模を表した指標(1997年現在)があり、各国の数値を抜粋すると「アメリカ262、日本162、中国36、韓国16、オーストラリア13」、選択肢も抜粋すると「②国民総生産、④自動車生産台数」となっている。答えは②なのだが、赤本の解説には「『自動車生産台数』ならば韓国が中国より小さいはずはなく」とあるのである。オイオイ、嘘ではないか。中国は今や自動車生産台数世界一である(赤本の解説も完璧ではない)。そんな数値はアテにならない。ではこの場合何をアテにすれば良いか。それは、工業のあまり発達していないオーストラリアである(この説明、ここまでで既に3回目である)。オーストラリアでは工業が発達していない=自動車産業も発達していない=自動車生産台数が新興工業国の韓国に匹敵するわけがない、と推論立てて②を選ぶのである(ちなみにオーストラリアでは当時からほとんど自動車は生産されておらず、現在は全ての自動車工場が閉鎖されて生産台数はゼロである)。前置きが長くなってしまったが、要するに変わりやすい指標は危険である(私がかなり昔の過去問まで遡るべきと言っているのは、こういった変わりやすい指標に頼らず論理的に推論立てられる力を付けてもらうためである)。さて本題だが、ことエネルギー資源の生産量、輸出量、消費量を考えるとき、中国とインドは人口大国であると同時に資源大国であるため、生産量、消費量は大きい一方で輸出余力は無い場合がほとんどであり、石炭もこれに該当する。よってウが輸出量であるという所までは、図を見ずともリード文を読んだだけで秒殺できるレベルになってほしい(ウが輸出量である裏取りは人口の少ないオーストラリアの割合が大きいことなどで確認すればよい)。アとイの判別はつい日本や韓国などに目が行ってしまいがちであるが、やはりここはオーストラリアに注目したい。オーストラリアは人口が少ないため資源の消費量は少ない。これはほとんどどの資源にも言えることであり、日本や韓国による判別よりもよほどアテになる。よってアが消費量、イが生産量となる。余談だが、注目しておきたいのがブラジルである。石炭と鉄鉱石の上位産出国はほとんど同じなのだが、ブラジルは鉄鉱石の世界的な産出国でありながら石炭の産出が極めて少ない。ついでに覚えておくと良いだろう。

 

問6 正解:④

バンコクはク。「外国からの投資による工業化」とは輸出指向型の工業化についての説明で、安価な労働力を活かして労働集約的な工業を先進国から誘致し、工業製品を生産・輸出する工業化政策のこと。韓国や台湾などのアジアNIEs諸国は1960年代、マレーシアやタイなどのASEAN諸国は1980~90年代以降、輸出指向型の工業化を進めてきた。ロッテルダム(ユーロポート)はカ。ユーロポートはライン川河口に位置する「港湾施設」でヨーロッパ最大の港。ライン川河口のデルタ(三角州)地帯沿岸には巨大な干拓地(ポルダー)が造成され、牧草地として利用され、酪農が営まれている。デトロイトはキ。五大湖の水運を活かして古期造山帯であるアパラチア山脈の炭田やアパラチア山脈の北側に位置するピッツバーグの鉄鋼業(ただしピッツバーグの鉄鋼業は衰退しており、近年は先端技術産業の誘致などで巻き返しをはかっている)と結びつき、フォードシステムと呼ばれる大量生産方式により自動車が製造されてきた。なおアメリカの工業は1960年代以降、古くからの工業地帯であった五大湖周辺~ニューヨークなどのメガロポリス一帯(センターレベルなら覚えなくても良いが、一般にスノーベルト・フロストベルトと呼ばれる)が停滞し、温暖で安価な労働力が確保しやすく、広大な用地やメキシコ湾岸の油田などの資源に恵まれた北緯37度以南のサンベルトに先端技術産業の立地が進んだことは覚えておきたい。

 

第3問

問1 正解:②

①は正しい。旧ソ連や東欧では社会主義時代に画一的な労働者向け集合住宅が計画的に供給された。②は誤り。庭や車庫を持つ富裕層向けの低層戸建て集合住宅が見られるのは郊外。先進国の大都市の開発時期が古い都心周辺では建物や都市施設の老朽化と荒廃が進み、富裕層や産業が流出した所に貧しい移民(アメリカでは黒人やヒスパニック)や少数民族が流入することによってスラム化し、治安の悪化や税収の低下などの問題が発生している。これをインナーシティ問題という。なお都心部においては再開発も活発に行われ、この結果スラムは撤去されて高級マンションなどが立ち並ぶ新しい街区へ再生されている。これをジェントリフィケーション(高級住宅地化)と言い、都心部には富裕層が再び転居してきている。しかし、立ち退きを強要された旧スラムの人々が住居を失うなど、問題も生じている。③は正しい。アモイはシェンチェンなどとともに中国の改革開放政策の一環として経済特区に指定され、税制上の優遇措置を与えるなどして外国資本の導入を積極的に進めた。この結果急速な工業化とともに無秩序な開発が進んだ。都市郊外における無秩序な開発のことをスプロール現象という。④は正しい。ヨーロッパの古い都市では歴史的な都市景観が保全される場合が多い。パリでは都心部付近の伝統地区が保存・整備され観光地となっている代わりに、郊外のラ=デファンス地区に副都心が建設され、近代的な高層ビルが立ち並んでいる

 

問2 正解:④

①は誤り。古代の計画都市である中国の長安や日本の平城京や平安京は、条坊制に基づく碁盤目状の街路を持っている。碁盤目状の街路はニューヨークなど新大陸にも多い。一方で「放射・環状」の街路はヨーロッパに多く、モスクワやパリなどが代表例である。②は誤り。江戸幕府の支配力は強く、戦国時代に商業や宗教の力を利用して住民が自治権を握った堺などの自由都市は解体された。「主要な街道の中継点や分岐点」に形成されたのは宿場町であり、街道沿いに商店や宿屋などが並んだ街村となっている。似たような集落の形態に路村があるが、これは江戸時代に台地上や扇状地の扇央、干拓地などに成立した計画的集落である新田集落やヨーロッパの林地村のものが有名。③は誤り。アメリカ中西部にみられるタウンシップ制では開拓のために1戸ごとに広大な土地が割り当てられたため、家屋どうしが離れており散村となっている。これを参考に明治時代で成立したのが北海道の開拓村である屯田兵集落である。散村はこのほか富山県の砺波平野や島根県の出雲平野などにも形成されており、家屋が点在しているため火災の被害が少ないといった長所がある。④は正しい。マンチェスターはイギリス西部ランカシャー地方の綿工業都市であり、産業革命の発祥地である。エッセン(エッセンという地名自体はセンターレベルではない)はドイツ北西部ルール地方の製鉄都市であり、ルール地方にはライン川の水運とルール炭田の結合により、スウェーデンから鉄鉱石を輸入して鉄鋼業が発達した(現在は高賃金などを背景に衰退傾向にあり、先端技術産業が集積する新しい工業地域となっている)ため小規模な都市が多数発達しており、それらの市街地が連続して1つの都市域を形成するコナーベーション(連接都市)が見られる。

 

問3 正解:④

オーストラリアは国土が広い割に人口が少ない上、国土の大半は砂漠で居住に適しておらず都市は南部の沿岸に集中しており人口の偏在度は極めて高い。よって④が該当する。①と③はいずれも1人当たり総生産の国内地域間格差が大きいが、これは農村と都市との経済格差が著しい発展途上国の特徴である。うちメキシコは首都メキシコシティに政治や経済など国の中枢的機能が集中し、人口が突出して多いプライメートシティ(首位都市)を形成している。発展途上国のプライメートシティはほかの地域との経済格差が大きいことから、職を求める人々の流入が著しく、結果として国内の総人口に対する人口比率が高まっていく。またメキシコは新興工業国の1つで急速な工業化を進めた。工業が発達=労働集約型産業である=地域間格差が大きくなるということなので人口の偏在の度合いが大きく、1人当たり総生産の国内地域間格差が最も大きい③が該当する。一方で南アフリカ共和国は北東部のヨハネスブルグや南西部のケープタウンなど大都市が国土に分散しており、また金鉱などの鉱石資源に恵まれているため工業化は鉱業が中心となる。鉱業が発達=労働集約型産業ではない(都市産業ではない)=地域間格差は大きくならないということであるため人口の偏在の度合いが最も小さく、1人当たり総生産の国内地域間格差がやや小さい①が該当する。残った②が先進国のオランダである。

 

問4 正解:⑤

1985~1990年はク。バブル経済の時期であり、金融業やサービス業などが成長することでそれらの本社が東京に集積した。オフィスビルが建ち並ぶことで東京都心部は地価の高騰や居住環境の悪化に見舞われ、人口が流出し、夜間人口が減少した。これをドーナツ化現象という。1995~2000年はカ。バブル経済の崩壊によって東京都心部の地価は下落し、オフィス需要が減少したため大規模な再開発が見直され、オフィスビルの代わりに高層マンションの建設が進んだ。これにより住宅供給量が増加したことで人口が再流入し、夜間人口は増加に転じた。これを都心回帰現象という。女性の社会進出や晩婚化に伴う少子化や医療技術の進歩による平均寿命の上昇に伴う高齢化を受け、日本の人口は2005年に戦後初めて減少に転じ、2008年からは継続して人口が減少している。よって都心回帰現象は続いているが、東京周縁部でも人口が減少する市町村が目立ってきているキが2005~2010年となる。

 

問5 正解:③

①は正しい。非大都市圏では就職や進学に伴い、若者を中心に生産年齢人口が大都市圏へと流出することから相対的に老年人口率が高くなる。②、④は正しい。昭和22~24年の第1次ベビーブームに生まれた世代は団塊の世代と呼ばれ、三大都市圏で労働力需要が増大した高度経済成長期に非大都市圏から三大都市圏へと大量に流出した。この世代が2010~2015年の間に老年人口へと移行したため、三大都市圏の老年人口の増加率は高くなっており、さらなる老年人口の増加も見込まれる。③は誤り。三大都市圏では②、④の影響により老年人口が急増しているため、養護老人ホームの供給過少状態が続いている。よって老年人口1,000人当たりの養護老人ホーム定員数は低位となっている。

 

第4問

問1 正解:④

レスは砂漠や大陸氷河の末端に堆積した細粒物質が堆積した間帯土壌気候帯に沿って分布する成帯土壌とは違い、局地的に分布する土壌)であり、中国のレスは内陸のゴビ砂漠などから偏西風によって黄土高原や華北平原にもたらされた肥沃な土壌。日本にも飛来する黄砂は黄土高原を主要な発生地としてさらに細かい物質が偏西風によって運ばれたもの。またヨーロッパのレスは氷期に大陸氷河の作用で形成された同じく肥沃な土壌で、ハンガリー平原などに分布する。よってアはBが該当する。海底に堆積した石灰岩が陸化し、二酸化炭素の混じる水によって溶かされる(溶食)ことによってできた地形をカルスト地形と呼ぶ。代表的なものに溶食の結果形成された小さな凹地であるドリーネや、溶食によって形成されたポリエと呼ばれる広大な平野がある。タワーカルストは溶食の結果、石灰岩が搭状の山になった地形で、Cの桂林(コイリン)ではその奇観が重要な観光資源になっている。よってイはCが該当する。モレーン氷河によって削られた岩石や土砂が堆積した地形で、Aはヒマラヤ山脈であり標高が高いため、万年雪が押し固められて形成された山岳氷河が発達している。よってウはAが該当する。

 

問2 正解:③

ハイサーグラフは縦軸が月平均気温、横軸が月降水量で、縦に長いほど気温の年較差が大きく、横に長いほど降水量の年較差が大きい。②と③の判別が鍵となる。Jのウルムチは内陸部に位置するため比熱が小さい(暖まりやすく冷えやすい)。よって気温の年較差が大きいほか、テンシャン山脈などの大山脈に囲まれている盆地上に位置するため雲による湿った空気が十分に供給されず、年中乾燥する。よって④が該当する。なおテンシャン山脈は中国および中央アジアに広がる山脈で古期造山帯に属するが、中生代後期以降の断層活動により土地が大きく持ち上がった復活山脈で、例外的に古期造山帯でも高峻な山脈となっており最高峰は標高7000mに達する。 Kのシェンヤンは大陸東岸にあり、冬は偏西風によって比熱の小さい大陸内部の空気が運ばれてくるため寒冷となる。つまりこちらもJと同様気温の年較差が大きくなるほか、冬はシベリア高気圧の影響で冷たく乾いた北西季節風によって少雨となる一方、夏は太平洋高気圧の影響で暖かく湿った南東季節風によって多雨となる。よって気温と降水量のいずれの年較差も大きい①が該当する。LのフーシュンはJやKより低緯度にあることから太陽からの受熱量の季節変化が小さく、気温の年較差は小さい。またKと同様に夏は太平洋高気圧の影響で暖かく湿った南東季節風によって多雨となるが冬のシベリア高気圧の影響による北東季節風(地球では自転の影響によって風が北半球では右向き、南半球では左向きに曲げられるコリオリの力が働くため、Lのあたりまで緯度が下がるとシベリアからの季節風は結果として北東から吹くことになる。覚えなくて良い)は暖流の日本海流によって温められた黄海を経由して吹くため水蒸気が豊富に供給され湿っており、冬も一定の降雨がある。よって②が該当する。残ったMのクンミンはLと同様に低緯度にあることから気温の年較差は小さく、Kと同様に冬はシベリア高気圧の影響で冷たく乾いた北東季節風によって少雨となる一方、夏は太平洋高気圧の影響で暖かく湿った南東季節風によって多雨となる。よって③が該当する。

 

問3 正解:③

茶はカ。高音多雨の気候と水はけの良い傾斜地に適するため、中国では南部の高原地帯である雲南省や台湾の向かい側の福建省(ウーロン茶で有名)での生産が多い。世界的にはイギリスの旧植民地での生産が多い。イギリスは紅茶を嗜好品とするが、寒冷なイギリスでは生産は困難であるため植民地時代のスリランカやインド、ケニアなどで企業的なプランテーション農業で茶を大量に栽培させ自国に輸出させたことによるもので、その名残は現在でも残っている。日本では静岡県などで生産が盛ん。イモ類はキ。やせて乾燥した土地でも育つため、中国ではホワイ川以南の年降水量1,000mm以上の地域で栽培される米やホワイ川以北の年降水量500~1,000mmの地域で栽培される小麦などの穀物の栽培には向かない内陸の少雨地帯で多く栽培される。野菜はク。野菜は鮮度を要求されるため、食の欧米化が進み輸送条件が有利な沿岸の大都市近郊で労働・資本集約的な園芸農業として栽培されている。また第2問の問1でも見た通り、中国は日本へ生鮮野菜の輸出(遠く離れた地から大消費地向けに大量の農産物を生産する園芸農業を輸送園芸という)を行っており、このことも比較的日本に近い東部沿岸で野菜の栽培が盛んな理由となっている。

 

問4 正解:④

①は正しい。東北~華北地方のP地域では、フーシュンの炭田やアンシャンの鉄鉱を背景に古くから原料指向型の重工業が発達した。②は正しい。寒冷なQ地域では性能の低い工場施設や家庭の暖房施設の不完全燃焼により硫黄酸化物の排出が多い。③は正しい。華南地方のR地域では安価な労働力を活かして労働集約的な工業を先進国から誘致し、工業製品を生産・輸出する輸出指向型の工業化がはかられたため、臨海指向型の製造業が立地する。資源を大量消費しないため、硫黄酸化物の排出は少ない。④は誤り。朝鮮半島や日本列島は緯度30度付近の亜熱帯高圧帯から高緯度方向に吹き出す西風である偏西風の風下側にある。貿易風は、同じく緯度30度付近の亜熱帯高圧帯から低緯度方向に吹き出す東風である。

 

問5 正解:④

①は誤り。中国では食料確保の必要性から戸籍を都市戸籍と農村戸籍に分け、人々の移動を厳しく制限してきたほか、都市の労働者は様々な社会保障制度によって手厚い保護を受ける一方で、農村の農民は自給自足を原則として、社会保障制度の対象から外されていた。このため農村戸籍を持つ都市の出稼ぎ労働者は十分な社会保障を受けることができず、都市戸籍を持つ者との医療や社会保障の格差が大きくなっている。②は誤り。中国の都市部における1人あたりGNIは15,000ドルで、中国全体の2倍、NIEs(新興工業経済地域)に準じる水準。よって冷蔵庫やカラーテレビなど生活必需品の普及率は高い。③は誤り。チンハイ省の原油産出量はごく少ない上、沿海部まで到達するパイプラインは敷設されていない。中国最大の油田は東北地方のターチン油田だが、それを知らなくても④が正しいことが分かる。西部大開発の一環として2006年にチンハイ(海)省と西南地方のチベット(西蔵)自治区との間に青蔵鉄道が開通したことは覚えておきたい。これにより外国人観光客が増加したほか、中国政府としては人口の1割を占める漢族以外の少数民族のうちチベット族と融和し、チベット自治区における分離独立運動に端を発するチベット民族問題の解決を図るねらいがある。

 

問6 正解:①

第4問の問5でも見た通り、中国政府はチベット民族問題など少数民族との間に摩擦や衝突を抱えており、さらに少数民族が多く居住する地域でも開発が進むに連れて漢民族の入植が強まり反発が高まっている。よって②は正しい。このため中国政府は少数民族に対し民族言語による学校教育を行う、1人っ子に優遇措置を設けることにより出生率を下げる1人っ子政策の適用外とするなど寛容な政策をとってきた。よって①は誤り。漢族は主に儒教など信仰するが、西南地方にあるチベット自治区のチベット族や華北地方にある内モンゴル自治区のモンゴル族はモンゴル仏教、西北地方にあるシンチアンウイグル自治区のウイグル族やニンシアホイ族自治区のホイ族はイスラム教を信仰している。よって③は正しい。西部大開発による青蔵鉄道の開通によってチベット自治区では観光地化に伴う外国人観光客の増加がみられる一方で、環境破壊などの問題が生じている。よって④は正しい。

 

第5問

問1 正解:③

ドイツは北を北海・バルト海に面し、南は中生代後期以降の造山運動によって形成された標高の高い急峻な山脈が連なる新期造山帯であるアルプス山脈の山麓にあたる。国土は大半が極めて古い時代(先カンブリア時代)の造陸運動によって形成された安定陸塊に属し低平な地形が広がっている。よってドイツの標高分布はイ。北の北海側の都市としてはハンブルクが有名。ハンブルクはバルト海に注ぐエルベ川の潮汐限界点(満潮時に海水の到達する限界点)に位置する港湾都市で、エルベ川のエスチュアリーの最奥部にあたる。エスチュアリーとは河口付近が沈降したラッパ状の入り江のことで、水深が十分なことに加え後背地(周辺の平野)が広いため、大規模な港湾都市が立地しやすい。日本には見られない地形だが大西洋の周辺には多く見られる。他にエスチュアリーが見られる代表的な河川にはテムズ川(港湾都市はロンドン)やラプラタ川(港湾都市はブエノスアイレス)などがある。また南はスイスやオーストリアに接する。スイスは州ごとの独自性が強い連邦国家で、北をドイツ、西をフランス、南をイタリアと接するため、ドイツ語、フランス語、イタリア語、それにレートロマン語の使用地域が見られる。スペインの標高分布はア。スペインは北東部の新期造山帯であるピレネー山脈を例外として大半が古生代の造山運動によって形成されたなだらかな高原上の地形である古期造山帯に属し、スペインのあるイベリア半島の中央部にはメセタと呼ばれる高原が広がっている。ドイツの降水量分布はA。ドイツは年中緯度30度付近の亜熱帯高圧帯から高緯度方向に吹き出す西風の偏西風によって暖流の北大西洋海流に暖められた比熱の大きい(暖まりにくく冷えにくい)大西洋上の空気が運ばれてくるため比較的温暖で湿潤となる。スペインも冬は偏西風によって比熱の大きい海洋上の空気が運ばれてくるため比較的温暖で降雨が見られるが、夏は亜熱帯高圧帯が赤道低圧帯の北上に伴って北上してくることで下降気流が卓越し降水量が減少するため乾燥する地中海性気候で、年間を通じて少雨で、冬に少しだけ雨が降ると押さえておく。よってAより全体的に降水量が少ないBがスペインの降水量分布。地中海性気候は緯度35度付近の大陸西岸に分布し、南半球では南アフリカ共和国のケープタウンやチリ中部のサンティアゴ、オーストラリア南部のパースアデレードなどが該当する(アデレードは大陸の東寄りだが、古期造山帯のグレートディバイディング山脈の西側に当たり大陸の西側と同じ条件が整っているため地中海性気候が出現する)。

 

問2 正解:②
まず一方にしか分布しないか両国とも分布するかで③、④と①、②にグループ分けする。③、④は一方にしか分布しないため栽培地域に特徴のあるオリーブかライ麦である。このうちライ麦は黒パンの原料となる穀物で、最も高緯度まで栽培が可能なビールの原料となる大麦などとともに冷涼地域で栽培される。よってスペインより冷涼なドイツにしか分布しない③が該当する。地中海性気候は植物の生育が盛んとなる夏に乾燥するため、植生は硬い葉を付ける硬葉樹が中心となる。果実や油脂原料として利用されるオリーブも硬葉樹で、栽培範囲は地中海沿岸に限られ、小規模な農家が中心となる労働生産性の低い地中海式農業によって栽培される。よってオリーブは④が該当する。①、②は両国とも分布する小麦かブドウだが、ドイツでは②が南部にしか分布しない。ブドウの栽培北限はフランス北部のパリ盆地であると押さえておこう。パリ盆地とドイツ南部はおおよそ同じくらいの緯度であるから、ブドウは②が該当する。パリ盆地はブドウの栽培が盛んで、硬軟互層となっている地層が緩傾斜し差別侵食を受けたケスタ地形が広がっており、水はけが良く日当たりの良い緩斜面は小麦の栽培に、一方の急斜面はブドウを利用したワインの貯蔵施設に利用されている。残った①が小麦。西アジアが原産で、ヨーロッパや新大陸で広く輸出を目的とした商業的な栽培が行われており、アメリカ合衆国やフランスで輸出が多い

 

問3 正解:②
ドイツの都市数はカが該当する。第3問の問2でも見た通り、ドイツ北西部のルール地方にはライン川の水運とルール炭田を背景に多数の都市が発達しており、それらの市街地が連続して1つの都市域を形成するコナーベーション(連接都市)が見られる。よってルール地方のある北西部の都市数が多くなっている。またドイツは連邦国家で州ごとに中心的な役割を果たす都市が発達しており、政治の中心である首都のベルリンに企業の中枢管理機能は集中せず、ルール地方の中心で本社機能の集中するデュッセルドルフや、欧州中央銀行の本部が置かれ金融の中心となっているフランクフルトなど多くの都市に分散している。よってドイツの日経現地法人数はEが該当する。スペインの都市数はキ、日経現地法人数はDである。スペインはイベリア半島の中央部にある高原であるメセタに立地する首都のマドリードと東部カタルーニャ地方の中心でEU域内において相対的に安価な労働力が手に入ることを背景にドイツなどの自動車メーカーによる自動車生産工場の立地が進んだバルセロナの2大都市に諸機能が集中している。

 

問4 正解:③

次の通り秒殺で解いてほしい。いずれの国とも最も貿易額が小さいセが人口、1人当たりGNIとも最も小さいポルトガル。そのポルトガルの中で最も貿易額の大きいスがポルトガルと陸地で接する唯一の国である同じイベリア半島のスペイン。よってスの③が正解。ポルトガルは現在でこそコルクがしで有名な経済規模の小さい農業国であるが、16世紀の大航海時代にはスペインとともに世界の覇権を握り、各地に植民地を獲得した。このためブラジルやアフリカ南西部の原油を基幹産業とするアンゴラ、インドネシアの東端に位置する東ティモール、それに中国南端のカジノを基幹産業とするマカオなどは旧植民地でポルトガル語が公用語とされている。スペインも同じく大航海時代に世界の覇権を握ったため、ブラジルを除く中南米の多くの国はスペインの旧植民地でスペイン語を公用語とし、またスペインで主に信仰されるカトリックの大陸別の信者は中南米が最も多い(プロテスタントを主に信仰するイギリスの植民地支配を受けた国が多いため、プロテスタントの大陸別の信者が最も多いのはアフリカであることも押さえておこう)。残ったサとシがドイツかフランスであるが、どの国に対しても輸出超過となっているシがEU最大の工業国で自動車や医薬品などの生産が盛んなドイツ、輸入超過のサがフランス。フランス南西部のトゥールーズにはEU加盟国で設立した航空機の組立工場が立地しており、国際分業で生産された航空機の部品をEU域内の各国から輸入しているため輸入超過となっている。

 

問5 正解:①

①は誤り。南アジアはイギリスの植民地としての歴史を持ち、インドでは英語が準公用語となっている。よってスペインとの文化の共通性は薄い。スペインへの移民の出身国で最も多いのは地中海と大西洋を隔てるジブラルタル海峡を挟んで隣接する北アフリカのモロッコで、歴史的経緯としては8世紀から15世紀まで北アフリカ~西アジア、中央アジアの乾燥地域で主に信仰されるイスラム教の勢力の支配を受けていたこと、文化としては同じ地中海性気候で地中海式農業を営んでおり、栽培される作物が似ているために食文化も似ているといった共通性が挙げられる。またスペインの旧植民地でスペイン語を公用語とし、スペインと同じカトリックを主に信仰する中南米の多くの国からも移民が少なくない。②は正しい。ドイツは安価な労働力として、高度経済成長期の1960年代にトルコから移民を受け入れ、経済発展に大きな役割を果たした。東西統一後の1990年代には東ヨーロッパ諸国からも移民を受け入れた。しかし現在、移民の失業率は高く推移しており、近年は非熟練労働者の移民の受け入れ規制を強めている。③・④は正しい。ヨーロッパでは有給休暇を利用してリゾートに長期滞在するのが一般的なバカンスの過ごし方であり、これをツーリズムという。ドイツやイギリス、北ヨーロッパ諸国は、気候が温暖で豊富な観光資源を抱えるフランスやスペインなどに多くの観光客を送り出している。こうしたツーリズムは低所得地域に観光収入をもたらすため、地中海諸国では地域振興としても重視されている。

 

第6問

問1 正解:①

①は誤り。島の中央部にある「壱岐市」の文字の北側に100mの等高線がる。島の南側「郷ノ浦港」から内陸に入った「岳ノ辻」には標高213mの三角点がある。②は正しい。河川の流域は、その河川が流れる谷の左右にある、山から等高線が凸状に張り出している尾根の最先端部を結んだ尾根線どうしの間となる。③は正しい。リアス海岸山地が沈降することで形成された深い入り江(溺れ谷)が連続する海岸地形で、スペイン北西部に典型的に見られ、日本では長崎県をはじめ岩手県・宮城県の三陸海岸や三重県・和歌山県の紀伊半島東岸のものが有名。水深が十分であるため天然の良港となるが、山地が海に迫り、平野に恵まれないほか、入り江の湾口に比べて最奥部が狭いため津波に襲われるとエネルギーが最奥部に集中し甚大な被害が生じやすい。入り江の断面はV字谷になっている。④は正しい。海食崖は波の侵食によって形成された海岸の崖で、同時に海底も侵食され海食台と呼ばれる小さな平坦面が出来る。これが隆起により海食台が離水して陸地となると海岸段丘が形成される。

 

問2 正解:③

①は誤り。芦辺から当田触へ向かっている道路は、2006年の地形図では他の道路の整備によって交差するようにはなったが寸断はされていない。②は誤り。芦辺港南北両岸の一部水域は干拓や埋め立てによって陸地化され、北岸には田の記号が見られるが、南岸は港湾として整備され田の記号は見られない。③は正しい。「芦辺」と「瀨戸」を結んでいた渡舟は破線で描かれていたが、2006年の地形図ではこれが見られなくなった。代わりに「芦辺大橋」が架橋されている。なお北岸の「フェリー発着所」からは破線が出ているが、破線の向きから考えると渡船ではなく島外への航路である。④は誤り。2006年の地図の南西部には「梅ノ木ダム」が見られるが、発電所の記号は見られない。ダムは水力発電だけでなく単に河川の水量調節や用水の供給にも利用される。

 

問3 正解:① 

アの矢印の方向には田の記号が見られ、そこには等高線が見られないことから、平坦な水田が広がっていると推測できる。また遠方には広葉樹林や畑の記号と等高線が見られることから、低い山地が広がっていると推測できる。よってアはAが該当する。イの矢印の方向には畑や荒地、広葉樹林の記号が見られ、そこには等高線の補助曲線が見られることから、細かな地形の凹凸のある畑地や森林が広がっていると推測できる。よってイはBが該当する。ウの矢印の方向は等高線が凹状にへこみ標高が下がっていく谷となっており、田の記号が見られることから、手前から奥にかけて標高が下がっていく谷に水田が広がっていると推測できる。またウの矢印の左右は山から等高線が凸状に張り出している尾根の最先端部を結んだ尾根線となっており、広葉樹林や畑の記号が見られることから、谷の左右の一段高くなっている尾根に森林や畑地が広がっていると推測できる。よってウはCが該当する。

 

問4 正解:③

図の左上にある北の方角を表す▲の方位記号から、樹林は母屋や牛舎、畑に対して北側に広がっていることが分かる。よって北からの風を防ぐ防風林であると推測される。日本列島は冬にシベリア高気圧の影響で冷たい北西季節風が吹く。よってこれを防ぐための③が正しい。日本列島に吹く冬の北西季節風は、暖流の日本海流によって温められた日本海を経由して吹くため水蒸気が豊富に供給され湿っており、それが日本列島の背骨のように伸びた高峻な脊梁山脈にぶつかり上昇気流が発生することで、脊梁山脈の風上側となる日本海側に豪雪をもたらす。脊梁山脈を越えた季節風は下降気流となるため乾燥し、太平洋側の冬は晴れの天気が続く。①は誤り。竜巻は積乱雲の下で地上から雲へと伸びる渦巻き状の上昇気流で、猛烈な突風が吹くため規模の大きいものだと樹林は根こそぎ吹き飛ばされてしまう。②は誤り。フェーン現象は、湿潤な気流が高峻な山脈にぶつかり上昇気流が発生することで山脈の風上側に雨を降らせた後、山脈を越えた風が下降気流となって乾燥し高温となること。アルプス山脈の風下側(北側)や、夏の南東季節風が吹く日本列島の日本海側で多く発生する。壱岐島にはフェーン現象を発生させるような高峻な山脈は見られない。④は誤り。やませは主に東北地方の太平洋側に吹く局地風で、初夏にオホーツク海高気圧から吹く冷たい湿った北東風が農作物に冷害をもたらす。このため東北地方では「ひとめぼれ」などの米の耐寒品種が開発されている。壱岐島には関係がない。

 

問5 正解:④

日本海には、暖流の日本海流から分かれて東シナ海から日本海を北上する暖流の対馬海流と、サハリン付近からユーラシア大陸に沿って日本海を南下する寒流のリマン海流が流れている。このうち壱岐島の付近を流れるのは対馬海流のみだが、それを知らなくても会話文中に「マグロ」や「ブリ」といった暖流に乗って北上する回遊魚の名が出ていることからカは暖流と判断できる。漁業部門は漁場や漁法によって大きく沿岸漁業、沖合漁業、遠洋漁業、それに養殖業などに分けられる。このうちマグロは各国の領土から原則200海里以内の近海に設定され、資源の調査や発掘、漁業が沿岸国の主権下で行える排他的経済水域に含まれない公海を主な生息場とするため、遠隔の漁場に出漁して行う遠洋漁業が行われている。しかし、新興国の経済発展などによる消費量の増加に伴い乱獲の存在がしばしば指摘されている。これを規制するために漁獲量の総量規制といったマグロ資源に対する国際的で持続可能な取り組みが要請されている。またブリは人工的な育成による養殖業での生産も行われる。このほかおよそ領海内などせいぜい日帰りができる範囲に出漁して行われるのが沿岸漁業、およそ排他的経済水域内に出漁して行われるのが沖合漁業である。なお日本の漁業部門は石油危機による燃料費の高騰や各国による排他的経済水域の設定によって公海が狭められたことで1970年代には遠洋漁業の生産量が、乱獲や海水温の上昇によって主要魚種であるマイワシの漁獲量が減少したことで1990年代には沖合漁業の生産量が急減している。また壱岐市における1経営体あたりの漁船数は1隻が大部分を占めており、全国と比べると漁船数が2隻以上の経営体の割合は低い。よってキは「小さい」が該当する。

 

問6 正解:①

買い物で購入する商品は食料品などコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで日常的に購入する最寄り品と、家具や高級衣料品などデパートや専門店などで購入する買いまわり品に分類される。このうち主に買いまわり品は扱う店舗の商圏が広く、都市規模が大きいほど発達する一方で、周辺の市町村は都市規模の大きい市に商圏を依存することになる。しかし島嶼部では時間的・費用的な制約から日常的に島外の市町村へ買い物へ行くことはできない。よってEは県内で最も人口の多い市(長崎市)や島嶼部の指標が上位となっている居住する市町村内で買い物をする割合が該当する。なお、商業は小売業卸売業に分類される。小売業は一般消費者に商品を販売することから販売額は人口にほぼ比例する一方で、卸売業は生産者などから仕入れをし、小売業者や一般企業に商品を販売する。よって生産者や一般企業の本社が集まる大都市ほど集積しやすくなる。複式学級は複数の学年をまとめて授業を行う学級のことであるから、児童数が少ないほど指標が上位となる。就職や進学の機会に恵まれない島嶼部や山間部では、若者を中心に生産年齢人口が大都市圏へと流出する。その結果、子どもを出産する世代の人口が減少し、出生率が低くなることから少子化が進行し、児童数が少なくなる。よって都市部で指標が下位、都市部以外や島嶼部の指標が上位となっているFが複式学級率となる。医師数は高度医療を提供できる大病院のある都市部で多く、逆に都市部以外や島嶼部では高度医療が提供できないことや診療報酬が低いといった理由によって少なくなっている。よって都市部で指標が上位、都市部以外や島嶼部の指標が下位となっているGが人口1,000人当たりの医師数である。都市部以外や島嶼部といった過疎地における医師不足は深刻で、診療所を開設し都市部の大病院から医師を派遣する、専門医による巡回医療を行う、緊急時にはドクターヘリを派遣するといった僻地医療の取り組みが要請されている。

 

問7 正解:③

①は正しい。気象庁のウェブサイトには過去に観測された気象データが公開されている。②は正しい。郷土史などに関する文献は地元の公立図書館や郷土資料館などで収集されている。③は誤り。AMeDASは気象庁の自動地域気象観測システムの通称で、主に降水量、気温、日照時間、風向・風速を観測する。AMeDASの気象観測データを監視することで気象予報や気象災害の防止・軽減に役立てることはできるが、過去の災害の被災状況を知ることはできない。過去の災害の被災状況は市町村や気象庁のホームページ、それに郷土史などを参照する。④は正しい。第6問の問1でも見た通り、たとえばリアス海岸は入り江の湾口に比べて最奥部が狭いため津波に襲われるとエネルギーが最奥部に集中し波高が高くなる。このため周囲より津波が内陸まで遡上する可能性があるなど津波の到達範囲は海岸の地形によっても影響される。

 

広告

小論文の添削指導Check!

英会話対策はこれ1つでOK!Check!

 

「スタディサプリ」まずは2週間無料で体験!

 

あわせてお読みください

 

このブログを応援する(Amazonギフト券購入ページ:管理人にギフト券を送る)

※生活に困窮しています。1000円ぐらいから送っていただけると嬉しいです。

 

にほんブログ村 受験ブログ 大学再受験(本人・親)へ にほんブログ村 歴史ブログ 地理へ